手事 “Tegoto”

 

宮城道雄作曲 Composed by Miyagi Michio

 

 

(演奏 山﨑美知留)

 

 

 

 

手事は昭和21年に作曲された箏独奏曲です。
「手事」とは、古典曲における歌と歌の間にある器楽的な部分を指し、曲名として「手事」を選んだのは「歌のない器楽曲」の意味と、「この曲が標題音楽ではなく箏の音色や旋律、形式の美しさを表現する絶対音楽または形式音楽である」という意味を合わせて表したかったからであるとされています。

 

宮城道雄は、箏に洋楽的要素を大幅に取り入れ、新しい音楽を作り出した改革者でありましたが、伝統音楽への深い愛着があり、常に伝統を尊重していたことが様々な面で表れています。「手事」の全体の構成はソナタ構造を成していて、第三楽章に分かれています。第一楽章は「手事」の意味となる器楽的な曲調を生かしてソナタの部分にし、第二楽章はゆっくりとした曲調を取り入れ、第三楽章は輪舌という早い手法を用いてロンド形式にまとめています。

 

三月に行われたコンクールにこの曲で出させていただき、賞をいただきました。とてもいい経験になり、そのことを励みにこれからも精進していきたいと思います。