夜々の星 "Yoyo no Hoshi(Night stars)

 光崎検校作曲 Composed by Mitsuzai Kengyo

 

(演奏 箏 小松則子 三絃 小野真由美、尺八 善養寺惠介)

 

 

夜々の星は、 地歌・箏ともに生田流の光崎検校が江戸時代後期に作曲、作詞は皆川淇園の手による地歌箏曲です。構成は、前唄-マクラ・手事・中チラシ・チラシ-後唄となっています。

 

本演奏では、前唄の一部から手事の一段までを演奏しています。今回は、「昔習った曲で、現在全く弾いていない曲」の中から「曲名の美しさ」でこの曲を選びました。

 

基本的には、三絃と箏がともに同じ旋律を奏でており、片方が弾かない時はもう一方が裏拍にちょっと音を入れて変化をつけている曲で、従来の地歌筝曲の掛け合い的な動きはほとんどみられない曲となっています。

 

初めて習ったときはまだ高校生で、ただ弾くだけで終わっていた曲ですが、お三味線と同じ旋律、間を合わせること、裏拍でお三味線の音につられないようにすることなど大変苦労しました。その分、お三味線との合奏の楽しさを感じながら新鮮な気持ちでお稽古に励むことができました。恋人を思う心をいくら手紙に書いても返事が来ない、毎夜星の光が絶えるまで思い明かしてしまうという片思いの女心を歌った詞とともに、お箏とお三絃の合奏の妙をお楽しみいただければと思います。