すり鉢・れん木・せっかい "Suribachi, Rengi, and Sekkai” (Joint play of three pieces)
油屋茂作作詞 Lyrics by Aburaya Mosaku
二毘都里石作曲
【立方】吉村ゆかり(賛助出演)
【演奏】
(すり鉢)小野真由美、高田幸子
(れん木)藤枝加奈子、高橋富博、中川久方
(せっかい)山﨑美知留、平林圭子
他の特定曲と同時演奏できるよう作曲された作品を『打合せ物』と呼び、その曲のひとつです。すり鉢と、れん木(すりこぎ)と、せっかい(すり鉢の中身をかき出す道具)という、お互いになくてはならない物同士を打合わせるのですから、弾いて楽しく、唄っておしゃれな楽しい趣向です。それぞれの曲には別々の唄がついていますが、今回はすり鉢だけの唄にしました。
さて、海山を越えてこの世に住みなれてという唄い出しです。来世を誓い合ったに違いない互いの魂が、幾年の歳月も海も山も越えて、やっとこの世で巡り合えたそんな嬉しさに、はやる気持ちを、サラリとした心意気で唄ってみたつもりです。
歌詞の内容は、「長恨歌にもありますように比翼連理(空にあっては比翼の鳥、地にあっては連理の枝)と契りし仲ですから、昼間だけではなくいつもずっと一緒にいたいものです。ところが夜になりますと、お台所を預かる賤の女が、すり鉢は洗って棚の上れん木は別のところに吊るして片付けてしまいます。せっかく逢う日も夜はひとり寝をしなくてはなりません。なんて心寂しいことでしょう。もしもどこかにお昼間しかない里があるのなら、そんなお里で暮らしたいものです。」といったものです。
文京区で地唄舞教室をするとともに、地唄舞の魅力を伝える活動を行っている吉村ゆかり先生のしなやかな踊りと共に、お互いの心々を打ち合わせて唄う楽しさ、面白さを感じていただければ嬉しいです。
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