さらし風手事 “Sarashi-fu Tegoto(Tegoto in Sarashi-style)

 

宮城道雄作曲 Composed by Miyagi Michio

 

 

 

(演奏 箏高音 加藤祥子 小野真由美 箏低音          菊田美里 足立衣沙桜)

「さらし」とは、京都宇治の名所としても紹介される槙島の布晒しが由来となります。江戸時代、「長唄」の文化が出来上がってきた頃、北沢勾当が「晒」を作曲し、それをもとに深草検校が改曲し発展させました。その後、布をさらす作業を表現した音型「さらしの手」をモチーフに、地歌や長唄、浄瑠璃、などの方面でも様々な曲が作られました。

 

宮城道雄先生が1952年作曲された「さらし風手事」もこの流れを汲んだ作品となっています。「高箏と低箏の二部合奏曲」で、それまでの邦楽とは異なり「器楽重奏曲」という当時新機軸を試みた曲の作品に含まれ、西洋音楽に影響された近代的な作品です

 

手事形式の作品で、様々なフレーズにて「さらしの手」を弾きます。「壱越半雲井調子ベース」の高箏、「双調平調子ベース」の低箏のパートそれぞれが主旋律を奏でる、とても華やかでリズミカルな曲です。